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北京の裏庭ミャンマーに火がついた?

2011年10月14日
 
【新唐人日本2011年10月15日付ニュース】最近、ミャンマーの一連の動きが注目を集めています。9月30日、ミャンマーのティン・セイン大統領は中国が投資したミッソンダムの建設中断を発表。中国の政府系メディアは10日の文章で、“アメリカをはじめとする欧米諸国”が責任を持つべきだと強く非難。中国と戦略上の友好関係を保ってきたミャンマーだけに、今回の行動は政治ウォッチャーの注目を集めています。
 
中国の人民日報は、ミッソンダム事業は双方の友好的な協商の下、適切に処理すべきだとし、このような身勝手なやり方はミャンマーの投資環境に損失をもたらすと警告。また、アメリカなどの欧米諸国が裏でミャンマー政府に圧力を加えていると非難しました。
 
中国の“時代週報”の趙副編集長は、ミャンマー当局のダム建設中断の原因は複雑だといいます。ミャンマーは中国と世界経済第4位のインドの間で中立を図っています。一方、セイン大統領も国内の反対派の声に耳を傾けなければならず、ダム事業の中断は民意によるものが大きいと見ています。
 
「時代週報」副編集長 趙世龍氏
これは多分地域政治やその他のことも考慮した結果で、簡単な原因ではないはずです
ミャンマーは以前比較的中国寄りで、経済も中国に頼っていました。今英国や米国などの欧米国家に抱き込まれ、中印の間で平衡を図っています
 
ミャンマーの北部に位置するミッソンダムは、建設後9割の電力が中国に送られます。ダムの建設によって、シンガポールの面積に相当する地域が水没し、63の村の12000人が移転を迫られます。この事業は民主化運動指導者アウン・サン・スーチーさんやその支持者の反対を受けています。
 
これに対し趙さんは、立ち退きの補償に問題が生じた可能性を指摘します。
 
「時代週報」副編集長 趙世龍氏
中国の一貫した。やり方だとミャンマー軍事政権、または政府と商談し契約締結後、
建設を始めます。現地住民の移住はミャンマー政府に任せます。しかし後から、ミャンマー国内の反対の声が強くなると住民も騒ぎ出します。補償金が充分だと庶民も満足し
移住も簡単でこれほどの騒ぎにはならないはずです
 
また、土地を失うことになる住民にとって、補償金を支払うといった表面的な措置だけで済む問題ではないとも指摘します。中国の三峡ダムの移民問題がその実例です。
 
ウォールストリートジャーナルは中国とミャンマーの関係が微妙な段階に入ったと報道。ミャンマーの未開発の膨大な天然資源および中印両国間に置かれる戦略的位置から、中国がミャンマーに制裁を加えるのも考えにくいと分析。過去数年、中国がミャンマーに行った投資は、国民には略奪性の経済活動と見なされ、ミャンマー国内では反中国ムードが高まっていると報道。
 
ノーベル平和賞を受賞したアウン・サン・スーチーさんは9月末、お隣の中国とインドに対し、今後ミャンマー国民の声に耳を傾けるよう促しました。
 
ドイツの週刊誌“デア・シュピーゲル (Der Spiegel)”は、中国の戦略上で重要な意義を持つミャンマーがミッソンダムの建設を中断し、中国のコントロールから抜け出すとなると、東南アジアは再編成する必要があると述べました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 
 
 

 

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